ACC 事故補償制度( Accident Compensation Corporation)
この制度は、ニュージーランド国内で発生した自動車事故を含む損害に対して補償を提供するもので、ACC(Accident Compensation Corporation)という行政機関が運営しています。
運営資金
雇用者や被雇用者の給与や国の財源により運営されています。
雇用者の場合は、給料から天引きされ、支払います。
会社や自営業者の場合は、ACCからエーシーシー・レビー(ACC LEVY)を計算した請求書が届くので、それを支払います。また、被雇用者から天引きした費用を税務署(IR:Inland Revenue)に支払います。
収入のない主婦や子ども、学生、旅行者の場合は、車の登録費用やガソリン代などに含まれている税金で支払うこととなります。
ACCへの支払い金額
被雇用者が、給与から天引きされて支払うACCの金額(Earner Levy)は、一律で100ドルに対して1.36ドルとなります。
雇用者が支払うACCの金額(Workplace Levy)は、職種によって支払額が変わります。
例えば、林業労働者の職種は事故がおおいのでWorkplace Levyが非常に高く100ドルに対して3.30ドル、オフィスワーカーの職種は事故が少ないのでWorkplace Levyが低く100ドルに対して0.28ドルと決められています。支払額はそれぞれの職種のクレーム履歴で決まっています。
適用対象
ニュージーランド国民と永住者、観光などで一時滞在している外国人。
対象例
就業中の事故や自動車事故、スポーツ時の骨折など、発生した傷害に対してが対象となります。補償対象は傷害だけで、病気の場合は対象外です。
補償内容
治療(救急・入院費用など)、リハビリテーション(車椅子や用具の支給、住宅改造など)、所得保障(休業期間中の補償)、死亡した際の葬式費用など多種にわたります。自動車事故での加害者や被害者、過失の有無に関わらず、事故の被害についての補償も受け取ることができるので、自動車事故による損害賠償を問わないとしているのも特徴です。外国人で、本国に戻るための渡航費などは対象とされていません。
申請手続き
事故発生後12ヶ月以内に、自らまたは受診した病院などからACCにクレームの申請を行います。
申請を受理したACCが審査を行い、補償の対象か対象外かの回答が書面で届きます。対象になった傷害に対して、ACCのクレーム番号が付けられるので、補償期間などに応じて継続した治療を受けることができます。病院によっては、手数料などの自己負担金が発生する場合もあります(対象外の場合は、治療費の支払いが発生することになります)。