08/12/2016

贈与税が廃止されます(Gift Duty Abolition)

2011年10月1日からニュージーランドでは贈与税が廃止されました。日本は贈与税や相続税などの税金は大事な税金だと思いますが、ニュージーランドでは贈与税を払った人がほとんどいませんでした。相続税は1992年に既に廃止されました。その際に贈与税の廃止も検討されました。しかし、贈与税の廃止に伴ういくつかの問題がある為、先送りされていました。

 

贈与税は1885年から始まりました。以前は12ヶ月の間に2万7千ドル以上を贈与すると贈与税を払わなければなりませんでした。贈与税を免れるためには、ニュージーランド人は資産をファミリートラスト(家族信託)に移動させる際に、トラストが財産譲渡者から同じ資産価値の負債を負います。財産譲渡者はその負債を1年間に2万7千ドルづつファミリートラストに無税で贈与できました。そうすることにより何年もかかって、資産の全価値がファミリートラストのものになります。ただこれをするために毎年弁護士料がかかりました。こういった費用が、税務署が受け取る贈与税の金額より多くなっていたため、贈与税は廃止されることになりました。

 

しかしここでいくつかの懸念が出てきます。債務者は債権者への返済を回避するために、資産を贈与する恐れがあります。また、納税者が老人ホームに入る際に行われる資産の審査の時、資産の少ない人には政府から援助が出ます。このため、故意に資産をファミリートラストに入れたり、親族等に贈与する場合が出てくる恐れがあります。

このような懸念は充分に検討され、他の法律で補うことにされたため廃止が実施されることになりました。

 

これらはあくまでも一般的なガイドラインですので詳しくは最寄の公認会計士にご相談下さい。

 

公認会計士 ウォレン・ハーディー   ©

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